あんぱくの読書記録

読書はこころの栄養素。日々楽しめた物語を記します。

OCNブログ人から引っ越し中です。 株式会社ASSUMEにて生命保険新契約の取扱相談コンサルティングをしております。

浅田次郎

 ある商社マンの回想から物語は始まる。彼が世界を仕事をして転々と回ったときに見た夢の話だ。任地で寝るときに、いつもベッドには2つの枕が用意される。白い枕と黒い枕。寝る前に枕を選ぶことで、見る夢つまり良い夢と悪い夢を決めることができる。

 夢の話と言えば、フロイトの「夢判断」と夏目漱石の「夢十夜」を思い出す。「夢判断」は、1900年に発表された、オーストリアの精神科医ジークムント・フロイト(Sigmund Freud, 1856-1939 )による夢に関する精神分析学の研究である。本書の中でも浅田次郎氏は主人公である都築氏の夢について、精神分析学的解説を加えている。「夢十夜」では、漱石が夢の話を語るだけであるが、本書では夢と現実が交叉して独自の世界が構築されている。「地下鉄(メトロ)に乗って」などの作品にみるように、これは浅田次郎氏の得意とする文章構成だ。

 
 


 
ブラック オア ホワイト
浅田 次郎
新潮社
2015-02-20

 
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

昭和3年6月4日未明、中華民国・奉天(現瀋陽市)近郊で、「中原の虹」の主人公である張作霖を乗せた列車が爆破された。張作霖爆殺事件(満州某重大事件)である。今日でも謎が多い事件である。日本は、ここから満州事変、日中戦争への歴史に入って行く。

関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で真相が明かされる。「蒼穹の昴」シリーズの第4部となる本著で、李春雲の物語は完結するのだろうか。

マンチュリアン・リポート (講談社文庫) マンチュリアン・リポート (講談社文庫)
価格:¥ 660(税込)
発売日:2013-04-12

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

JAL機内誌で人気連載中の浅田次郎氏のエッセー集です。世界中を旅する作家である浅田次郎氏の面目躍如です。読んでいると浅田氏と一緒に旅をしている気分になります。自分が過去に訪れた世界の街を思い出して郷愁にひたることができました。旅好きのあなたへお勧めの一冊です。

目 次
旅先作家
成田まで
台北の街角で
東北の関羽
「磨刀雨」と「白毛風」
マイ・ファースト・フライト
「EVER VENDING STORY」
あぐら
水あたりと泥棒
混浴の思想

つばさよつばさ〔文庫〕 (小学館文庫) つばさよつばさ〔文庫〕 (小学館文庫)
浅田 次郎

小学館  2009-10-06
売り上げランキング : 40253

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 浅田次郎氏のエッセイ集です。彼の座右の銘は「花笑鉄心」、自身の人生を支えたスローガンのようです。

「楽しければ笑い、苦しければもっと笑い、どちらでもなければ自然に笑っていればいい。日がな花のように笑い続けて、しかも大地に鉄のごとき根が生えていれば、なおさらいい」

目 次
第1章 男の本音(「ま、いっか。」黄昏の恋 ほか)
第2章 ふるさとと旅(私と旅、尾張町の十文字 ほか)
第3章 ことばについて(Homme et Femme オム・エ・ファム、丸文字の起源 ほか)
第4章 星と黒笛(星と口笛、正月の記憶 ほか)

ま、いっか。 (集英社文庫) ま、いっか。 (集英社文庫)
浅田 次郎

集英社  2012-05-18
売り上げランキング : 4631

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 子供のころ、私がよく聞いた母の言葉は、 「人生はたらい桶の水。押し出してあげれば戻ってくる」 である。 浅田次郎氏が覚えてる彼の人生を支える母の言葉は、

「男は一度別れたら、後ろを振り向くようなことをするもんじゃない」

だそうである。男女間の男の生き方として言いえていると思う。 浅田氏が数々の作品を書く理由の一つは、

「江戸と同時に消えてしまった、男気を平成の世に復活させたい」

からだという。饒舌型作家を自認する浅田次郎氏が、各界の著名人との真剣かつユーモラスな対話を通して、思いがけぬ素顔や含蓄ある人生哲学、創作の秘話を披露しているのが本書である。一人一人の人生に響く言葉が見つかれば幸いと思う。

すべての人生について (幻冬舎文庫)
すべての人生について (幻冬舎文庫) 浅田 次郎

幻冬舎  2011-04-12
売り上げランキング : 4206


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

目 次 

アジアの100年、日本の100年(小松左京)
香港、この奥深き地よ(陳舜臣)
張作霖の実像に迫る!(澁谷由里)
『蒼穹の昴』天命をめぐる時代の群像(張競)
日本人を魅了し続ける志士たちの素顔に迫る(津本陽)
北国の英雄 アテルイと吉村貫一郎(高橋克彦)
我らが新選組 なぜ我々は新選組に、幕末に、歴史小説に惹かれるのか(北方謙三)
短篇小説の“へそ”とは?(渡辺淳一)
見栄っ張り東京人、超法規的岡山人(岩井志麻子)
啖呵切るご先祖様ぞ道標(宮部みゆき)
失われた「男気」を探せ(中村勘九郎(現・勘三郎))
リストラの世に、凛と生きる『五郎治殿御始末』は同時代人である(森永卓郎)
武士道と愛国心について(李登輝)
こんな言葉に支えられて生きてきた(山本一力)

続きを読む
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 終戦間際の1945年(昭和20)8月10日、帝国陸軍の真柴少佐は軍トップに呼集され、ある重大な密命を帯びる。それは、マッカーサーから奪取した900億円もの財宝を護るため、秘密裡に陸軍工場へ移送し隠匿することであった。この財宝は、敗戦を悟った軍上層部が祖国復興を託した軍資金であった。真柴は小泉中尉、望月曹長とともに極秘任務を遂行。任務を遂行する3人の前に、勤労動員として20人の少女たちが呼集される。8月15日の終戦を迎えたとき、軍上層部は彼女たちに非常な命令をする。日輪の遺産が本当にあったのかどうか、今は誰も知らない。

日輪の遺産
日輪の遺産 浅田 次郎

角川書店(角川グループパブリッシング)  2011-07-01
売り上げランキング : 90287


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

久しぶりに浅田次郎氏の短編小説を読みました。今回も、泣かせる話あり、ほのぼのした話あり、自伝的小説ありといろいろです。東京オリンピックなど戦後高度成長期の日本も描かれていて、現在の若者たちが知らな時代を描いてます。みんなが貧乏だったけど、何となく人間同士の温もりが伝わる世界を見ているようです。

夕映え天使 (新潮文庫)
夕映え天使 (新潮文庫) 浅田次郎

新潮社  2011-06-26
売り上げランキング : 425


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

目 次 

1.夕映え天使
2.切符
3.特別な日
4.琥珀
5.丘の上の白い家
6.樹海の人

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 南青山のマンションのペントハウスに秘密サロン「沙高樓」があるといわれている。今宵もそこで数奇な運命の物語が語られているという。本著では、議員秘書が語る総裁選の裏に隠された秘密、若くして財閥を継承した御曹司の苦悩、高名な大馬主が競馬場で出会った謎の老人、アメリカ人の元大佐が語る「もうひとつの退役」の3つの話が取り上げられている。浅田次郎氏の沙高樓綺譚は、驚愕と戦慄!玲瓏たる筆致で描 かれた百物語である。   

草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫)
草原からの使者―沙高樓綺譚 (徳間文庫) 浅田 次郎

徳間書店  2009-01-06
売り上げランキング : 51646


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 新撰組三番隊長の斎藤一が昔を問わず語りをする。坂本龍馬の暗殺事件から鳥羽伏見の戦い、そして甲州、会津へと新撰組の男たちは死に場所を求めていく。それでも生き残った居合の達人である男は官憲となり、西郷隆盛征伐のために西南戦争へと。しかしそれでも生き残ってしまう。鬼籍に入る前に酒に酔いながらも血風録の中心にあった斎藤が昔を語る。真剣の奥義もさることながら、新撰組の隊長近藤のリーダー論や副隊長土方の戦略論を話す。そして伏線には親子や子弟の情愛にが流れていく。「壬生義士伝」から続く浅田次郎の新撰組論を知るお奨めの一冊である。    

一刀斎夢録 上
一刀斎夢録 上 浅田 次郎

文藝春秋  2011-01-07
売り上げランキング : 1608


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
一刀斎夢録 下
一刀斎夢録 下 浅田 次郎

文藝春秋  2011-01-07
売り上げランキング : 1609


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

第3巻で大いなる母・西太后亡き後、国内の革命勢力と諸外国の圧力を前に、皇族たちは袁世凱を呼び戻す。一方、満洲を支配する張作霖は有能なブレーン・王永江を得て、名実ともに「東北王」となる。幼き皇帝溥儀に襲い掛かる革命の嵐の中、ついに清朝は滅亡する。
第4巻では、新生中華民国にカリスマ指導者・宋教仁が颯爽と現れるが、暗殺者の手により時代は再び混乱し、戊戌の政変後日本に亡命中の梁文秀の帰国を望む声が高まる。そして貧しさゆえに宦官になった春児と、貧しさゆえに馬賊となった兄、そして、日本に渡った妹の運命がふたたび交差する。俗物かもしれないが袁世凱という男は中国という国を守ったということで私は高く評価したい。「わが勲は民の平安」という言葉こそ、日本の政治家が語るべき一言ではないだろうか。


中原の虹 3 (講談社文庫)
中原の虹 3 (講談社文庫) 浅田 次郎


Amazonで詳しく見る
by G-Tools
中原の虹 4 (講談社文庫)
中原の虹 4 (講談社文庫) 浅田 次郎

おすすめ平均
stars『蒼穹の昴』の続編で期待しすぎた感も…

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

中原の虹(1)(2)

人気ブログランキングへ
ランキングサイトに参加しています。
応援クリックお願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ