平野啓一郎氏が、過激な描写でネット社会の罠を描いています。本著の主人公の吉田希美子は、ごく平凡な女性教師でした。彼女はふとしたきっかけで、登録した出会い系サイトで知り合った男との行為にのめり込んでいきます。自分たちの性行為を録画撮影して、インターネットのアダルトサイトに投稿する趣味がその男にはあった。2人の秘密はある事件が起こり白日のもとにさらされてしまいます。その成り行きがとてもリアルに描かれ、以前の平野氏の作品と比べると読みやすいです。SNS社会の恐ろしさを暗示しているのかもしれませね。
顔のない裸体たち (新潮文庫) 価格:¥ 380(税込) 発売日:2008-07 |