2006年04月
なぜ会社は変われないのか
本書は、柴田氏の実体験にもとづくコンサルティング業務のドラマである。企業の文化、つまり風土・体質を改善し、企業を変革するための視点が注意深く書かれている。一般的に、組織は成長すると徐々に官僚組織と同じように縦割り行政化し、セクショナリズムが蔓延する。これは人の組織の宿命かもしれない。こうした硬直化した組織は、人間の動脈硬化と同じであり、組織を栄養している血管がいつ破裂するかわからないのである。リーダーたるもの従業員の意見を真摯に受け止めるべきであろう。そのための仕掛け作りが経営者の役割ではないか。