あんぱくの読書記録

読書はこころの栄養素。日々楽しめた物語を記します。

OCNブログ人から引っ越し中です。 株式会社ASSUMEにて生命保険新契約の取扱相談コンサルティングをしております。

ヒトの発がん仮説にがん幹細胞理論がある。これは、がん細胞のうち幹細胞の性質をもった細胞で、幹細胞の性質をもったごく少数のがん細胞(がん幹細胞)を起源としてがんが発生するのではないかという仮説をいう。
 基礎医学研究者である著者の山崎裕人先生は、まず「医学の歴史」についてこう説明する。
  医学の歴史とは、「病と紛争の戦記」と言い換えることができるだろう。戦争は、自己の生存のために敵を殺すという「悲劇」だ。一方病気は、平和な時代でも容赦なく人命を奪ってしまう「災い」である。ゆえに歴史とは、生存への飽くなき執着によって築かれたものなのだ。
これは自己保存や種保存のために、自己と非自己を区別して、病気と戦う記録が医学の歴史ということだろう。国益と国益を賭けての戦いが戦争であり、政治は武器を使わない戦争ともいえる。さらに続けて著者は、死の恐怖からその闘いをやめられないと、次のように述べている。
  死への恐怖は人間の根源的なものであり、古来人々は「不老不死」を願った。中でもがんは「病の皇帝」と呼ばれ、今もなお、人類はその闘いをやめることができない。
中国の秦の始皇帝も、不老不死の妙薬を求め、国内各地で探させたという逸話が残っている。死の恐怖つまり生への執着は、いつの時代も同じである。始皇帝は、最後に水銀を飲んで命を落とすことになるのではあるが。
  
  



暑さ厳しき折、ますますご健勝のことと存じ上げます。

人生の座右の一冊に出会えることこそ、比類なき瞬間です。

日々の読書の記録が、みなさまへの新たなこころの糧となることを
願いつつ、本読書記録のブログを続けて行きたいと思っております。

旧倍のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

                                            平成30年立秋

                                            牧野 安博, MD&MBA 拝復





面白くて一気に読み終えた。人類がアフリカで生まれて世界中に広がったように、現在の新興感染症の多くも、アフリカ大陸の密林から始まり全世界に拡散しているのは事実のようである。感染症の歴史は、人類史とパラレルにあるというわけだ。さらに難問は、広がって行く過程でウイルスは大きく変化していく。一部は人のDNAに組み込まれたウイルス遺伝子もある。中には感染力を大きく増幅させるウイルスが生まれる。観光立国を目指している日本では、世界中から観光客を迎え入れている。感染爆発がいつ起こっても可笑しくない状況である。自己防衛のために一読をお勧めする。

【目次】
まえがき――「幸運な先祖」の子孫たち

序 章 エボラ出血熱とデング熱――突発的流行の衝撃
1.最強の感染症=エボラ出血熱との新たな戦い
2.都心から流行がはじまったデング熱

第一部 二〇万年の地球環境史と感染症

第一章 人類と病気の果てしない軍拡競争史
第二章 環境変化が招いた感染症
第三章 人類の移動と病気の拡散

第二部 人類と共存するウイルスと細菌

第四章 ピロリ菌は敵か味方か――胃ガンの原因をめぐって
第五章 寄生虫が人を操る?――猫とトキソプラズマ原虫
第六章 性交渉とウイルスの関係――セックスがガンの原因になる?
第七章 八種類あるヘルペスウイルス――感染者は世界で一億人
第八章 世界で増殖するインフルエンザ――過密社会に適応したウイルス
第九章 エイズ感染は一〇〇年前から――増えつづける日本での患者数

第三部 日本列島史と感染症の現状

第十章 ハシカを侮る後進国・日本
第十一章 風疹の流行を止められない日本
第十二章 縄文人が持ち込んだ成人T細胞白血病
第十三章 弥生人が持ち込んだ結核

終 章 今後、感染症との激戦が予想される地域は?

あとがき――病気の環境史への挑戦





 時代は空前の将棋ブームである。2017年には中学生でプロとなった藤井蒼汰棋士が公式戦で29連勝、このおかけで加藤一二三棋士が引退したが芸能界デビュー、羽生善治棋士が永世7冠を達成、創刊60年の老舗婦人誌「家庭画報」が2018年1月号で初心者向けの紙の将棋盤と駒を付録にし書店で完売が続出している。
 さて本著「理想を現実にする力」の著者である佐藤天彦棋士は、2016年第74期名人戦にて羽生善治棋士を破り、史上4番目の若さの20歳代で名人位を獲得した。将棋界400年の歴史の中で名人位についた棋士は、たったの26人だけである。「将棋の神に選ばれた者だけが名人になれる」とは至言である。
 将棋界は、名人挑戦者となるための長い長い順位戦での戦いを経なければ挑戦者にもなれない世界である。「将棋は逆転のゲーム」といわれる。常に盤上に集中して深い読みに入っていくことしか勝てない世界だ。かつて升田幸三棋士が「この幸三、名人に香を引くまで帰らん」と母の使う物差しの裏に書いて家を出たという逸話もある。
 佐藤名人も、子供のころの憧れであり夢であった名人を目指し、理想を追いもとめていたに違いない。名人も、こう語っている。
 手の届かないほどの究極の理想は、まずは手の届く現実の姿に変換していく。それがファンタジーのような夢をたぐり寄せる第一歩であると思っています。
 このように、理想を追い求めるというのは現実的な考えを捨て去って無茶な夢を追いかけることではありません。理想論はどこまで行っても理想論に過ぎませんし、大言壮語は言うは易し、です。
 将棋はオープンソースの世界でもある。対局の記録である棋譜は、対局者同士が作る作品であるが、その際の新手は翌日には研究されて対策が講じられてしまう。羽生善治棋士が予想した2015年にはAIがプロ棋士を既に負かせている。しかし対局者が作り出すタイトル戦という物語は残るであろう。

理想を現実にする力 (朝日新書)
佐藤天彦
朝日新聞出版
2017-04-13


目次
【第1章】すべては理想を持つことからはじまる
・自分がどんな物語をつくるか?
・高い理想ほど現実的に逆算する
・理想の将棋、理想の一手
・ストップをかけようとする心を疑う
・自分の特性にこだわりすぎない
・安全策がリスクになることがある
・まずは一つの得意分野を究める
・考え方はオールラウンダーの姿勢で
・憧れや尊敬の気持ちは原動力になる
・「選択肢の地図」で感覚を養う
●貴族のコラム1――自分らしくいられる“貴族"服

【第2章】劣勢をはね返す逆転の心がまえ
・将棋は逆転のゲーム
・モチベーションが下がったときこそ大博打
・名人戦での羽生名人詰み逃しの真相
・将棋には必殺の一手はない
・大事なのは局面を複雑化させること
・地道な種まきをしながら機を見抜く
・どうすれば過去を引きずらなくなるのか
・勝つためには「勝ちたい気持ち」から離れる
・たとえボロボロになって負けても
●貴族のコラム2――クラシック音楽でモチベーションを上げる

【第3章】奨励会を生き抜くということ
・小学生時代から勝負に明け暮れる
・幸せになるには強くなるしかなかった
・人生の大博打
・盤上で頼れるのは自分だけ
・「悔しい」気持ちになるのは余裕があるから
・将棋界以外の世界も知りたい
・なぜフリークラス入りを見送ったのか
・プロ棋士になるだけが人生ではない
・相手を蹴落として勝つことの重み
・感情だけではいつか決壊する
・自分は彼ほど将棋が好きなのか
・重たかった奨励会ではあるけれど
●貴族のコラム3――勘とは積み重ねた経験のこと
●貴族のコラム4――時間をかけて直感の正しさに気づく

【第4章】名人を生んだ低迷期の過ごし方
・結果が出なかったときに考えていたこと
・途方もなく大変な順位戦
・悔しい結果でも、現実に起こることには妥当性がある
・目先の勝利にとらわれず、長期的な視点を持つ
・棋譜の中に英雄の姿を見る
・土台を固めて初めて個性を発揮できる
・若手棋士同士の争いに後れをとる
・何かの役に立っているという実感を持つ
・自分の努力のリターンは求めない
・方針の転換は妥協ではない
・尊敬する棋士からの叱咤で奮起する
●貴族のコラム5――私の将棋ごはんと幸せについて

【第5章】勝負は感情で決まる─天彦流メンタル訓練法
・棋士は心を整えることが多い職業
・感情のままに物事を決断しない
・自分の心の弱さを認める
・必要以上に自分を責めなくていい
・強い精神力よりも“状況づくり"が重要
・「彼に負けたのなら仕方がない」と思われるように
・マイナスの感情には論理的思考で対抗
・自分にも他者にも「公平な視点」を心がける
・自然体でいれば、批判も受け入れられる
・勝負を「楽しむ」視点を持つ
・「幸せ装置」をたくさん用意する
・人生を俯瞰する視点を持つ
●貴族のコラム6――理想の家具と青い鳥

【第6章】コンピューターとの対決
・名人対コンピューターの意味
・負けるのは仕方がない?
・「強さ」だけを比較するのはナンセンス
・ソフトと人間は何が違うのか
・応援してくれるファンをがっかりさせないために  
 

謹賀新年

謹んで新春のお慶びを申しあげます。
今年も読書三昧にて知恵を身につけ、仕事や講演活動に
励んで生きたいと思っております。
引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申しあげます。
                           2018年元旦

 福島原発事故から早6年が経過している。「原子力安全神話」は、完全に崩壊した。政治家、官僚と民間事業者が長らく嘘を繰り返してきたことは、客観的にも明らかな事実であろう。国民を危機にさらし、不幸にしても、まだ原子力発電を続けようとする。いわゆる原子力村の住民たちのいい加減さにうんざりしているのは、私一人ではないであろう。
 さて、本書では原子力研究者で、内閣府原子力委員会、安全委員会の専門委員を歴任した武田邦彦先生が、原発問題を俯瞰的に解説してくれる。日本の原発事業の問題点を整理し、原発推進派と原発反対派それぞれの立場と主張、原発の必要性を科学的に精査、原発と核武装の関係までを読み解き、なぜ日本がいまだに原発をやめないのかを解説してくれています。



 目 次
第1章 原発事故、そのとき何が起こっていたのか
第2章 原発を再開したい人たちの本当の理由
第3章 原発に反対する人たちの本当の理由
第4章 技術的、経済的に見た原発の真の必要性
第5章 事故で明らかになった政府、マスコミ、専門家の無責任体質
第6章 福島に帰ることができるのか
第7章 原発と日本の核武装の必要性
第8章 日本が原発事故を乗り越えるために

 本著はNHKスペシャル取材班による人体の解説である。われわれの身体は約60兆個の細胞から構成されているが、ホメオスタシスを維持するためにすべての細胞が一定のルールにしたがって生きている。これこそ人体の不思議といえる。本著の冒頭に2つの質問が展開される。

 「人間の身体をつくっている200種類の細胞のうち、最大の細胞は何か?」
 「人間の身体をつくっている細胞のなかで、最多の細胞は何か?」

 お分かりであろうか。最大の細胞が最小の細胞とが偶然に出会うことでは、われわれのDNAは子孫への伝えられて行く。まるで数学の最大問題と最小問題である。生きるのに「一番効率が良い」からこの方法がとられているという。次に最多の細胞は、約20兆個つまり全体の3分の1を占める細胞群である。でも、これは細胞と言えるかはやや疑問ではある。では、血小板は細胞なのかという疑問が湧いてくる。
 
 
 



 昔、春山茂雄著「脳内革命」サンマーク出版(1995)がベストセラーとなった。どんなに嫌なことがあっても、事態を前向きに肯定的にとらえるプラス発想をすれば、脳内には体に良いホルモンすなわちβエンドルフィンが出て、幸福に生きられてことが説かれていた。「病は気から」を脳内物質であるノルアドレナリンとβエンドルフィンとの相互関係から、現在言われているモノアミン仮説を提唱していたと考えられる。この現代版が本著「脳内麻薬」である。脳内で見つかっているモノアミンには、ノルアドレナリンとβエンドルフィンの他に、ドーパミン、セロトニン、オキシトシン、アセチルコリンなどがある。われわれの快感の脳内回路を支配している物質が、快楽物質と呼ばれるドーパミン(dopamine)である。
  「頑張っている自分へのご褒美」であるドーパミンがうまく働いている限り、私たちの脳は頑張って何かを達成することに快楽を感じ、結果として、程度の差はありますが、努力を続けることができるのです。
 努力を続けることへのご褒美がドーパミンなのである。この報酬系の神経はドーパミンを分泌するA10神経であるとが分かっている。A10神経は中脳の腹側被蓋野(VTA)から出て、前頭連合野、扁桃体、側坐核、帯状回、視床下部と海馬へ伸びている。つまり活性化されたA10神経から、ドーパミンにより刺激を受け、快感を感じるというわけである。特に、側坐核は快感の中枢として良く知られている。また、この好ましい記憶は海馬に蓄積され、次回のより速いドーパミン放出が起こることになる。これが「期待の快感」や「成功体験」などと呼ばれているものである。
   ドーパミンは前頭前野を興奮させ、意欲的にさせる物質ですから、大量に分泌されると過剰な興奮が生じます。その結果以下のような症状が起きると考えられています。

(1)興奮状態になり、時には攻撃的になる
(2)アルコールやタバコの依存症や過食など、ある種の行動がやめられなくなる
(3)幻覚を見たり、妄想を抱いたりする(統合失調症)

  一方、ドーパミンが不足すると、例えば次のような症状をもたらします。

(1)意欲や興味、好奇心などが減退し、無気力な状態になる
(2)パーキンソン病
精神病の1つである統合失調症では、ドーパミンの過剰により陽性症状が現れ、その不足により陰性症状が起きているようである。




 ある商社マンの回想から物語は始まる。彼が世界を仕事をして転々と回ったときに見た夢の話だ。任地で寝るときに、いつもベッドには2つの枕が用意される。白い枕と黒い枕。寝る前に枕を選ぶことで、見る夢つまり良い夢と悪い夢を決めることができる。

 夢の話と言えば、フロイトの「夢判断」と夏目漱石の「夢十夜」を思い出す。「夢判断」は、1900年に発表された、オーストリアの精神科医ジークムント・フロイト(Sigmund Freud, 1856-1939 )による夢に関する精神分析学の研究である。本書の中でも浅田次郎氏は主人公である都築氏の夢について、精神分析学的解説を加えている。「夢十夜」では、漱石が夢の話を語るだけであるが、本書では夢と現実が交叉して独自の世界が構築されている。「地下鉄(メトロ)に乗って」などの作品にみるように、これは浅田次郎氏の得意とする文章構成だ。

 
 


 
ブラック オア ホワイト
浅田 次郎
新潮社
2015-02-20

 

久しぶりにプログラミング関係の書籍を読破しました。というか通読したという感じです。実際にプログラミング言語パイソン(Python)を書いてはいないので、ニューラルネットワーク(neural network)の概念を総括したということです。この本は、Python入門から始まり、ディープラーニングつまり機械学習までを解説してくれています。Pythonそのもののは、別途学習する必要はあるようです。読みやすいのでお勧めです。




目次
まえがき

1章 Python入門
1.1 Pythonとは
1.2 Pythonのインストール
1.3 Pythonインタプリタ
1.4 Pythonスクリプトファイル
1.5 NumPy
1.6 Matplotlib
1.7 まとめ

2章 パーセプトロン
2.1 パーセプトロンとは
2.2 単純な論理回路
2.3 パーセプトロンの実装
2.4 パーセプトロンの限界
2.5 多層パーセプトロン
2.6 NANDからコンピュータへ
2.7 まとめ

3章 ニューラルネットワーク
3.1 パーセプトロンからニューラルネットワークへ
3.2 活性化関数
3.3 多次元配列の計算
3.4 3層ニューラルネットワークの実装
3.5 出力層の設計
3.6 手書き数字認識
3.7 まとめ

4章 ニューラルネットワークの学習
4.1 データから学習する
4.2 損失関数
4.3 数値微分
4.4 勾配
4.5 学習アルゴリズムの実装
4.6 まとめ

5章 誤差逆伝播法
5.1 計算グラフ
5.2 連鎖率
5.3 逆伝播
5.4 単純なレイヤの実装
5.5 活性化関数レイヤの実装
5.6 A.ne/Softmaxレイヤの実装
5.7 誤差逆伝播法の実装
5.8 まとめ

6章 学習に関するテクニック
6.1 パラメータの更新
6.2 重みの初期値
6.3 Batch Normalization
6.4 正則化
6.5 ハイパーパラメータの検証
6.6 まとめ

7章 畳み込みニューラルネットワーク
7.1 全体の構造
7.2 畳み込み層
7.3 プーリング層
7.4 Convolution/Poolingレイヤの実装
7.5 CNNの実装
7.6 CNNの可視化
7.7 代表的なCNN
7.8 まとめ

8章 ディープラーニング
8.1 ネットワークをより深く
8.2 ディープラーニングの小歴史
8.3 ディープラーニングの高速化
8.4 ディープラーニングの実用例
8.5 ディープラーニングの未来
8.6 まとめ

付録A Softmax-with-Lossレイヤの計算グラフ
A.1順伝播
A.2逆伝播
A.3まとめ

参考文献
Python / NumPy
計算グラフ(誤差逆伝播法)
Deep Learningのオンライン授業(資料)
パラメータの更新方法
重みパラメータの初期値
Batch Normalization / Dropout
ハイパーパラメータの最適化
CNNの可視化
代表的なネットワーク
データセット
計算の高速化
MNISTデータセットの精度ランキングおよび最高精度の手法
ディープラーニングのアプリケーション
索引

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